帝人フロンティアのグループ会社で中国においてポリエステル長繊維織編物の製造・販売を展開する南通帝人有限公司(中国・江蘇省)は、製造工程の排水回収システムなどによる水使用量削減の取組みが、江蘇省生態環境庁より「長江デルタ地域(江蘇省、上海市、浙江省、安徽省)にまたがる環境推進模範活動」を推進する企業として認定された。
長江デルタ地域の環境推進模範活動の認定は、長江デルタ一体化発展座談会で提唱された生態環境保護強化の一環として実施されたもの。今回、南通帝人の所在地である江蘇省南通市の生態環境局が、環境負荷低減への取組みに関する報告書の審査や実地査察をするなど、定められた基準やプロセスで対象企業を評価し、優れている企業を江蘇省生態環境庁へ推薦。各市推薦の合計164社のなかから優れている30社が選ばれ、そのなかでとくに優れていると評価された、南通帝人を含む江蘇省の企業5社の取組みが「長江デルタ地域の環境推進模範活動」として認定された。この5社では日系および、繊維関連企業は南通帝人のみとなっている。
南通帝人は、継続的に製造工程の環境負荷低減活動に取組んでおり、水を多く使用する染色工程での水使用量削減のため、染色排水の水質分析と回収、貯蔵および、その再利用を一貫して行う設備やシステムを独自に開発し、2022年から実用化している。さらに、蒸気ドレン水の再利用や、染料残液の冷却工程と染色後のテキスタイルの水洗工程の見直しにより年間約30万tの水使用量削減とともに約4%のCO2排出量削減を実現した。これらの取組みが高く評価され、このたびの環境推進模範活動認定取得に至った。