クラレは7月26日、不織布事業において乾式不織布から撤退する一方、今後は生産能力を縮小したうえで経営資源をメルトブローン(MB)不織布に集中していくことを決めた。すでに、不織布事業子会社であるクラレクラフレックスの岡山工場(岡山県岡山市)では今年6月末でMB不織布の生産を停止しており、クラレの西条事業所(愛媛県西条市)に生産を集約済み。同じく岡山工場で製造している乾式不織布は今年12月末をもって生産を終了し、来年3月末までに販売を終了する。
クラレは1972年より乾式不織布を、89年よりメルトブローン(MB)不織布を製造・販売してきた。しかし近年は、アジア各国不織布メーカーの設備増設にともなう供給過剰と国内需要の減少などにより事業環境が厳しさを増していることから、今後の事業方針を検討した結果、生産能力縮小による再構築が不可欠と判断した。今後は、MB不織布に経営資源を集中することで不織布事業の再構築を行う。
クラレグループは中期経営計画「PASSION 2026」において、事業ポートフォリオの高度化を重要施策と位置づけ、コア事業への重点的な資源配分と、縮小・撤退事業の見極めを進めている。社会・環境価値、経済価値を考慮の上、事業・製品の構成組み換えを継続することによりポートフォリオの高度化を実現する。