三井化学は、コーポレート・ベンチャー・キャピタルファンドの321FORCE(登記名:MCIイノベーション投資事業有限責任組合、運営者:グローバル・ブレイン株式会社)を通じ、幹細胞の高密度大量培養技術を実用化する㈱フルステム(沖縄県うるま市)に投資したと発表した。細胞培養分野での事業機会深耕をさらに進めることで、新事業ポートフォリオの拡充を目指す。
フルステムは、独自技術である高密度三次元大量培養法と回収法を実装した幹細胞の高密度大量培養装置「Achieva-CS」を開発し、「誰にとっても安全で使いやすく」をコンセプトにした幹細胞培養技術の実用化を目指している。同装置は、幹細胞培養の足場として特殊な不織布を用いることで培養面積の高密度・省スペース化が可能となり、低コストかつ生体内環境に近い状態で幹細胞の大量培養を実現。同社は、「Achieva-CS」の販売の他、この技術を活用した治療用の大量培養技術の開発および製品販売を行っている。
三井化学は、ユニークな素材を足掛かりに細胞培養分野の事業拡大を図るため、フルステムと共同開発を進めている。細胞培養分野を新事業開発の注力領域としてとらえている三井化学は、「Achieva-CS」の各種用途での社会実装化に適用される部材についても、三井化学の技術とアセットを活用した開発に取り組んでおり、321FORCEによるフルステムへの投資を通して、細胞培養分野における事業機会の深耕をさらに進めることにより、新事業ポートフォリオの拡充を図って行きたいとしている。