大阪大学大学院工学研究科の宇山浩教授らの研究チームは、マイクロ波照射技術を活用することで、綿とポリエステル混紡繊維を数分で分別し、リサイクルする技術を開発した。対象となる混紡繊維と触媒を溶媒となるエチレングリコールに投入し、マイクロ波照射装置で数分間、約200℃で加熱すると、綿には作用せず反応液のなかに繊維状として残る。これを回収することで、綿はマテリアルリサイクルされ、ポリエステルはケミカルリサイクルによりPET(ポリエチレンテレフタレート)の前駆体であるBHET(テレフタル酸ビスヒドロキシエチル)として高純度で回収することができる。これまでの研究で、ポリエステルは100%分解することができ、綿の回収率は90%以上となり、BHETの純度は100%という。今後は綿とポリエステル以外の混紡繊維の分別やリサイクルにも取り組む方針。