東洋紡エムシーが製造販売する中空糸型正浸透膜(FO膜)を採用した米国トレビ社(Trevi Systems Inc.)の海水淡水化実証実験がこのほど終了し、海水から1日当たり500m3の真水を造り出すことに成功。海水からの真水回収率は65%を超えたと発表した。
実証実験が行われたプラントは、集光型太陽熱発電(CSP: Concentrated Solar Power)技術を利用して太陽光のもつエネルギーを熱へと変換し、同プラントの稼働に必要なエネルギーの大半を生み出す「省エネルギー型の海水淡水化システム」。実証実験は2022年6月から2023年9月にかけて行われ、得られた真水は農業用水に活用された。
今後、トレビ社は1日当たり6,000m3規模の海水淡水化プラントを同じ敷地内に建設する予定。東洋紡エムシーは、省エネルギー型の海水淡水化を実現するFO膜の供給を通じて、世界の水不足をはじめとする環境課題の解決に貢献していきたいとしている。