ニッケの100%子会社である㈱京都医療設計は、PGAシート“Pawdre(ポードレ)”の薬事承認を取得した。
ポードレは、PGA(ポリグリコール酸)を材料とした吸収性縫合補強材。特殊加工を施すことで生体に適した伸縮性、柔軟性を有しているシート状の組織補強材である。肺・肝臓・舌ガン切除面、気胸部位のシールなど、縫合部や脆弱組織の補強に幅広く適応する。加水分解により、強力(糸や布帛などの見かけ上の耐力)が徐々に失われ、最終的には吸収・代謝され約15週間後にはほとんどが組織に吸収されるので、抜去の必要が無く体内に異物として残らず、患者の心身への負担が最小限となるためQOL(Quality of Life)の向上を実現する。
ニッケグループのメディカル事業は2019年に製品化および販売の担い手として京都医療設計を子会社化するなど再生医療分野へ戦略投資を行っており、グループの技術・知見を活かし、連携して製品創出に取り組んでいる。今回のポードレは、ニッケ研究開発センターが研究開発を行い、京都医療設計が承認申請、製造販売、マーケティング、販売チャネル開拓などで重要な機能を果たした。他にも、iPS細胞(人工多能性幹細胞)などの培養時に3次元足場材料として使用される細胞培養用ゼラチン繊維基材“ジェノセル”の開発にも成功している。同社は今後も生体吸収性材料をコア技術として、メディカル事業を通じてヘルスケア・医療を取り巻く社会課題解決に取り組み、SDGsの目標達成とサステナブルな社会の実現に貢献していきたいとしている。