新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「セルロースナノファイバー材料のLife Cycle Assessment(LCA)等評価手法の検討および評価」(以下、本事業)で、セルロースナノファイバー(CNF)の社会実装を加速すべく、5つの研究開発テーマを採択し、本格着手していくと発表した。CNFの特徴である二酸化炭素(CO2)削減効果やリサイクル性の高さなどを、既存の石油原料由来の材料などと比較した結果を可視化し、脱炭素社会におけるCNFの役割を明確にすることでCNF関連事業を加速させる。
今年度から2ヵ年の事業で、予算は2億4,000万円を予定。実施機関は東京大学と未来戦略ライフサイクルアセスメント連携研究機構が選ばれた。同事業は、①ライフサイクル思考に基づく評価要件の設定、②LCA実施、③産業連関分析(IOA)の実施、④評価の推進、⑤学会・論文などにおける公表、の5つの研究開発項目から成る。さまざまな産業のデータベースや、各製造工程などにおける物質・エネルギー・資金のバランスに関するデータといったプロセスデータを測定・解析することにより、LCAの評価する。CO2削減効果やリサイクル性など、既存の石油原料由来材料などと比較した結果も示す。CNF関連事業などを取り巻く、IOAやマテリアルフロー分析(MFA)なども実施し、国内産業や経済への波及効果も明確化する。成果は国内外の関連学会や学術雑誌などに積極的に発表する。