日清紡テキスタイルは、同社がサーキュラーエコノミー(循環型経済)商品の1つとして検討しているコットン100%“めんです 育苗ポット”の試験販売を3月31日より開始した。
試験販売を開始した“めんです 育苗ポット”は、コットンの紡績工程で発生する落綿(らくめん)を100%使用した育苗ポット。落綿は、糸にすることができないほど短い綿(わた)でリサイクルに不向きなことから、これまでは廃棄物として処理されていた。同社は、綿に高圧の水流を打ち付け繊維を交絡させシート状にするスパンレース不織布製法を得意とする。この技術を用いることで、落綿のような短い綿もサーキュラーエコノミー商品として再利用することができるようにした。
一般的な育苗ポットはプラスチック製の商品が多く、作業時に回収する必要がある。回収せず放置した場合、経年劣化でマイクロプラスチックとなり、環境へ悪影響を及ぼすためである。これに対し、めんです 育苗ポットは、コットン 100%の生分解性をもつことから、ポットに入れたまま苗を植えてもやがて土に還る。そのため、育苗ポットを外して植え替える手間を省くことができ、作業時間の短縮につながる。また、プラスチック製の育苗ポットを使用するとポットの底で根がグルグル巻きになる根巻きが生じ、窮屈な環境で根が成長していくのに対し、めんです 育苗ポットはポットを形成する繊維の隙間から根を出すことができるので、育苗ポットを外さずに植えても植物の成長に影響を与えないとしている。