王子ホールディングス㈱は植物原料由来であるセルロースを補強繊維としたマット(以下、セルロースマット)を開発し、サンプル提供を開始した。
昨今、地球温暖化問題への取り組みとして、石油由来のプラスチック使用量の削減のためにセルロース配合樹脂の開発が進んでいる。このたび同社は、すでに量産体制が整っている技術を応用し、植物原料由来であるセルロースマットを新たに開発した。
このセルロースマットは不織布を製造する同社独自の技術(TDSプロセス)を活用して製造されており、植物原料由来のセルロース繊維とポリオレフィン系繊維が均ーに分散されている。また、低密度で柔らかいため、絞りのある立体的な形状にも成形でき、良好な樹脂含浸性もあります。このセルロースマットを熱加工することでプラスチックより変形に強く、割れにくいセルロース樹脂成形体になる。さらに、当社が手掛けるCNFシートなどの機能性素材を貼り合わせることで剛性などの性能向上が可能。
このセルロースマットおよびセルロース樹脂成形体は、従来のポリプロピレン樹脂(プラスチック)成形体との比較で、石油由来のプラスチックの使用量を最大で約70%削減することができ、自動車部材などへの適用を想定している。今後同社はサンプル提供を通して顧客とともに自動車部材などへの実用化を進め、持続可能な社会の実現に貢献していく考え。