経済産業省は、繊維産業の現状や環境変化を踏まえ、産業としての進むべき方向性や今後の政策を記載した「2030年に向けた繊維産業の展望(繊維ビジョン)」と、未来の産業につながる繊維技術の創出と繊維産業の国際的な競争力維持の観点から繊維技術の戦略や工程を示す「繊維技術ロードマップ」をこのほどとりまとめ発表した。
「繊維ビジョン」は、変わりゆく産業構造や社会構造を踏まえた、2030年に向けた繊維産業の方向性を官民で共有し、戦略的に対応するため検討・とりまとめたもの。新市場開拓のための分野を戦略分野、サステナビリティやデジタル化などのビジネスの前提となる分野を横断分野と位置付け、政策を進めていく方向でとりまとめている。
また、「繊維技術ロードマップ」は、2030年の将来像を展望するとともに2040年まで見据えた技術開発の方向性を示し、これらを広く共有することで産学官の繊維技術への研究開発投資を促進することを目的に、繊維技術の戦略や工程についてとりまとめたもの。重点的に取り組むべき技術開発としてスマートテキスタイル、ヒューマンインターフェース、繊維to繊維リサイクルの3つを上げている。