日清紡テキスタイルは、不織布などの生産過程で発生する断裁くずなどを利用したリサイクル糸“めぐりコットン”を開発した。めぐりコットンを使用したコートやジャケットはすでに、ガーゼ専門アパレルの株式会社アオ(新潟県糸魚川市)より販売されるなどしており、日清紡テキスタイルではめぐりコットンを繊維業界に向けて積極的に提案していくことにより、サステナブルな繊維事業への転換を進めたいとしている。
めぐりコットンの原料の一部として使用している“オイコス”は、コットンリンターを用いた特殊製法により、バインダー(接着剤)を使わず繊維を水のみで交絡させてつくった綿100%の不織布。肌触りが良く厚手でしっかりとした使い心地で、おしぼりなどで好評を得ている。そのオイコスの生産工程で発生する耳端などの端材を回収し、解繊して再度、綿(わた)へと戻した解繊綿を同社独自の技術で紡績し、リサイクル糸へと生まれ変わらせたのが、めぐりコットンである。同社では、環境問題や持続可能な社会の実現と、繊維業界の未来を考えて誕生させた“めぐりコットン”を提供していくことにより、「サステナブルな繊維事業への転換」を進めていきたいとしている。