アイリスオーヤマは乳幼児用紙おむつ事業に参入すると発表した。国内で同事業から撤退した王子ネピアより11月21日付で生産設備の一部を取得するとともに、王子ネピアが国内販売してきた“Genki!”ブランドのライセンス契約を11月25日付で締結。今後、富士裾野工場(静岡県裾野市)の一部を改修し、2025年上旬を目途に乳幼児用紙おむつの生産を開始する。“Genki!”ブランドの高い知名度と、自社の強みである物流体制や販売網を活かすことで、年間売上高100億円、市場シェア10% の獲得を目指す。
アイリスオーヤマは2020年に新型コロナウイルス感染症の流行を契機にマスク需要が急増したため、中国の大連工場と蘇州工場の2拠点での生産に加え、同年7月には宮城県角田工場にマスク生産設備を導入するなどして、国内で月2億3,000万枚のマスク供給体制を構築。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行後も、不織布製品の生産技術を活用した商品開発を行い、ラインアップを拡充することで、マスク以外の除菌ウエットシートやフローリングシートなどの新商品を発売してきた。同社は、こうした不織布製品の知見を活用したヘルスケア事業の強化を検討するなかで、今回の生産設備取得と「Genki!」ブランドのライセンス契約を決めた。今後は同事業を柱に加え、衛生用品のラインアップを拡充することで、ヘルスケア事業の経営基盤を強化していく。