サッポロ不動産開発と鹿島建設、スミノエならびにリファインバースグループの4社は、恵比寿ガーデンプレイスのオフィスリニューアル工事で発生する廃タイルカーペットを対象にした水平リサイクルシステムを構築した。4社は今後も、サッポロ不動産開発が所有するビルのオフィスリニューアル工事においてサーキュラーエコノミーの取組みを推進していく。
具体的には、サッポロ不動産開発は、自社のグループ環境ビジョンに基づき、所有・管理するビルのリニューアル工事において、再生タイルカーペットを積極的に採用。鹿島建設は、廃タイルカーペットを分別回収したうえで、リサイクル工場に直送する仕組みを構築。リファインバースグループは、独自技術で再生タイルカーペットから原料の一部となる塩ビ再生素材“リファインパウダー”を製造。スミノエは、そのリファインパウダーを使用した再生タイルカーペット“ECOSR(エコス)”を企画・販売するなどして、各社の役割を果たしていく。
サッポロ不動産開発は、2013年度から再生タイルカーペットの採用を積極的に進めており、23年6月に同社が所有・管理する恵比寿ガーデンプレイスにおいて鹿島建設、スミノエ、リファインバースグループの3社とともに水平リサイクルの取組みを実施している。タイルカーペットの交換作業で発生した廃タイルカーペットを他の建設廃棄物と混ざらないよう専用台車を使い回収し、リファインバースの千葉工場に直接搬入することにより、廃タイルカーペットだけの回収を可能にした。この結果、2023年度は約29t(床面積6,666m2相当)の廃タイルカーペットを回収・再素材化し、再生タイルカーペットを製造する水平リサイクルを実現。タイルカーペットの製造に必要な約20tのバージン素材使用削減に貢献するなど、サーキュラーエコノミーの取組みを実現した。
オフィスビルのテナント入退去時に行う内装リニューアル工事では、床材のタイルカーペットを交換することが多く、その際には大量の廃タイルカーペットが発生する。この廃タイルカーペットは、分別回収してリサイクル工場に直送する仕組みがないため、他の建設廃棄物とともに混合廃棄物として中間処理施設に搬出されることが一般的であった。また、タイルカーペットは、繊維層と樹脂層の2層構造となっており、樹脂層に塩ビ素材が使用されている。この樹脂層は中間処理施設における選別作業で分離させることが難しいため、多くが廃タイルカーペットとして、そのまま埋立処分されるという課題があった。