東洋紡エムシーは、連結子会社である呉羽テック(滋賀県栗東市)の全株式を日本毛織(以下、ニッケ)に譲渡することを決定し、8月26日に株式譲渡が完了したと発表した。
呉羽テックは、1960年に呉羽紡績の子会社として設立。66年に東洋紡績(現・東洋紡)と呉羽紡績の合併により東洋紡傘下となり、2023年4月に同社の連結子会社となった。ニードルパンチ、サーマルボンドといった各種製法を用いた短繊維不織布を中心に製造し、自動車のエンジンフィルターや内装材、医療用パップベースなどを主力製品としながら、時代のニーズに沿った高付加価値製品を展開。東洋紡エムシーの不織布事業において重要なグループ会社であったが、東洋紡エムシーが23年4月に策定した「2025中期経営計画」におけるポートフォリオ戦略を踏まえた結果、短繊維不織布を中心とする事業において長年の実績を有し同事業の強化をはかるニッケへの株式譲渡が、東洋紡エムシーおよび呉羽テックのさらなる企業価値向上に資すると判断した。
一方、ニッケは、中長期ビジョン「ニッケグループ RN(リニューアル・ニッケ)130 ビジョン」において産業機材事業の基本戦略として自動車・環境関連製品の拡販と不織布事業の収益強化を掲げ、成長市場に向けて積極的な投資活動を展開中。今回、呉羽テックのグループ会社化を機に、両社の製造技術を共有し相互に活用することで、ユーザーをはじめ関係者に対し、今まで以上のより良い製品とサービスを提供していくことにより、ニッケグループの企業価値向上に努めて行きたいとしている。
〔「呉羽テック」の概要〕
商 号:呉羽テック株式会社
本社所在地:滋賀県栗東市岡255
代表者:取締役社長 仲尾正人
設 立:1960年(昭和35年)4月10日
資本金:4億円
事業内容:短繊維不織布等の製造販売
従業員:266名