東洋紡は、機能膜開発センターと医療機器開発センターに分かれていたメディカル関連製品の研究開発機能を「メディカル研究所」として統合し、その施設を総合研究所内に新たに建設した。ライフサイエンス事業の成長に向け、医療用膜・プロセス膜や生体適合性ポリマーなど、人々のQOL向上に貢献する製品の開発力を強化する。
新設したのは、延床面積4,100m2、鉄骨2階建の研究施設。投資額は約20億円。4月より運用が開始されている。
東洋紡は、2025中期経営計画(2022~2025年度)において、バイオ製品、メディカル製品などを扱うライフサイエンス事業を重点拡大事業の1つとして掲げている。これまでは、総合研究所内の機能膜開発センターと医療機器開発センターの2つに分かれていたが、メディカル関連製品の研究開発機能を統合することで、透析治療に用いるダイアライザ(人工腎臓)向け中空糸膜などの医療用膜や、抗体医薬品の製造工程でウイルス除去などに利用されるプロセス膜、カテーテルや血液回路チューブなどに抗血栓性や炎症反応の抑制などの特性を付与する生体適合性ポリマー、神経再生誘導チューブやコラーゲン使用人工骨など医療機器分野における独自製品の開発を加速させる。研究所には見学ルートやオープンラボも新たに設置した。医療機関や提携先をはじめとするステークホルダーとの共創・協業の推進を目指す。