東レは、同社のインド現地法人であるToray Industries(India)Private Limited(略称:TID)において、低圧損・高捕集効率を備えた空気清浄機・自動車・エアコン・空調用の高性能エアフィルター工場を新設し、10月よりその生産をスタートした。新設したのは、インドにおいて初となる高性能フィルターのろ材用不織布からフィルター組立てまでを行う一貫製造拠点。東レグループでは、2012年より中国の東麗合成繊維(南通)有限公司(略称:TFNL)でエアフィルター用不織布の生産を開始しているが、TIDを新たに加えることで、インドと中国の2拠点によるグローバル体制を整えることになった。
近年、インド国内では大気汚染の深刻化や、環境意識の向上により、さらなる空気浄化ニーズの高まりとともに、高性能・高品質なエアフィルターの需要が増加するとみられている。東レは地産地消の考え方を基本に、現地での生産・技術開発・販売体制を構築し、現地のニーズを迅速に把握し製品開発に生かしていくことで、高度化する顧客からの要求特性にスピーディーに対応していく。東レは中期経営課題“プロジェクトAP─G 2025”の基本戦略の1つとして「持続的な成長の実現」を掲げている。エアフィルターはその戦略に則り、安全な空気を届け、環境負荷低減に貢献する製品と位置付けて事業拡大を推進。新たにTIDをエアフィルター事業拠点に加えることで、グローバルな環境負荷低減に一層貢献していく。