ニッケグループは、フジコーの石岡工場(茨城県石岡市)に、古着からボタン・ジッパーなどの異物を人手を使わずに自動で除去する設備の導入を決定した。 本格稼働は2025年2~3月頃を予定しており、稼働後の反毛繊維の生産量は月産300tを想定している。これは、現在の一関工場の生産量(約280t/年)の10倍規模となる。
反毛繊維とは、ウールや綿など不要になった製品や裁断くずを回収し、解毛機や反毛機にかけてわた状に戻した繊維のこと。現在、人手不足や人件費・物流費の高騰により古着の反毛事業者は減少傾向にあり、近隣に事業者が存在しない自治体では、引き取り手がなく回収事業を継続することが困難となっている事例も見られている。ニッケグループは、日本で廃棄される古着のうち約40%が発生する関東圏において、フジコー石岡工場を古着の再生・反毛化処理の拠点とすることで、国内における繊維製品の資源循環システムの維持・強化に貢献できると判断。また、2022年3月に欧州委員会が公表した「持続可能な循環型繊維戦略」では、2030年までにEU域内で流通する繊維製品にリサイクル繊維を大幅に活用することなどが目標となっており、多くの欧米のアパレル企業が製品づくりにおける環境問題などへの配慮に関する高い目標や方針を打ち出している。ニッケグループは、引き続き繊維産業をとりまくグローバルな動向を踏まえた取組みを推進するこで、今後の海外ビジネス拡大に繋げていきたい考えにある。