小林製薬は、米国でのカイロ売上高伸長を見据えた生産効率の最適化を目的に、米国ジョージア州にある同社100%子会社の小林ヘルスケアインターナショナル インコーポレーティッド(以下、KHI)の営業倉庫および、小林アメリカ マニュファクチュアリング エルエルシー(以下、KAM)の製造エリアにおいて、10月12日より拡張工事に着手すると発表した。投資規模は、約50億~100億円で、拡張する建屋の延べ床面積は合計で4万3,840m2。隣り合うKAMとKHIを直結させて構内物流を自動化する。これにより、既存建屋を含む拡張後全体の生産能力を約1億5,000万~2億5,000万製品にまで引き上げる。2025年中の稼働を予定している。
小林製薬グループは、2030年グループ連結売上高2,800億円(うち国際事業900億円)を目指し、海外への製品提供力の強化を含めて多岐に渡る取組みを強化している。なかでも、海外事業の約半分を占める米国での事業活動は重要な位置付けにある。同社はカイロを世界でトップブランドに成長させてきているが、米国でのカイロ未認知者はいまだ多いことから、配荷チャネルを増やすとともに、新製品開発を積極的に推進していくことで、更なる市場拡大を図る方針。そこで、米国でのカイロ売上成長を見据えた生産/物流効率の最適化を目的に、KHIの営業倉庫およびKAMの製造エリアを拡張建設に踏み切ることにした。
今回の拡張工事では、米国内での製造労働人口の減少や人件費高騰を見据え、人手に極力頼らない製造・出荷フローを構築する。拡張工事によって2040年までの供給に対応可能な製造エリアを確保し、さらに生産工場と新設する営業倉庫を直結させることで構内物流自動化を実現。これにより、生産ラインから営業倉庫の保管・出荷までシームレスなデータ管理を行えるようになり、高精度の在庫マネジメントが可能になるとしている。