日本衛生材料工業連合会(澤田道隆会長)は6月13日、東京都千代田区大手町の経団連会館において「第88回通常総会・懇親会」を開催した。総会では2022年度決算をはじめ、23年度事業計画などすべての議案を満場一致で承認。任期満了にともない行われた役員改選により澤田道隆会長の再任が決定したほか、天田泰正・白十字社長(全国衛生材料工業会会長)ならびに森信次・ユニ・チャーム顧問(全国紙製衛生材料工業会会長)の2名が新たに副会長として就任するなど、23~24年度の新執行体制がスタートした。また、総会後に開かれた懇親会は4年ぶりとなる立食形式での開催となり、厚生労働省の大場寛之・新型コロナウイルス感染症対策本部参事官と、経済産業省の南須原美恵・ヘルスケア産業課医療・福祉機器産業室室長補佐が来賓として招かれ、正会員・賛助会員、報道関係者など110名超の出席のもと執り行われた。
懇親会挨拶で澤田会長は「今回の懇親会が4年ぶりの立食による開催となったことを嬉しく思う。この間、私たち業界も大きな試練に直面した。感染症の影響により多くの企業や個人が苦境に立たされたが、いまこそ再び活気ある市場づくりに日衛連も皆さまとともに、より一層の発展を目指して努力していきたい」と、アフターコロナに向けた意気込みを示す一方、「しかし、私たちは今後もパンデミック時に備えた体制整備が必要であることを忘れてはならない。コロナ感染症は一時的に収束したとはいえ、その後の変異株や新たな感染症の脅威は存在しており、大規模な自然災害も頻発している。衛生用品、衛生材料業界は国民が安心して生活できる環境を提供する使命を担っている。今後更なる迅速かつ適切な対策を講じることができるよう準備を怠らないことが必要」と、有事に備えた体制を心がけておくことの必要性を確認。澤田会長は2023年度も引き続き、コンプライアンス遵守をベースとして“消費者・利用者に安心・安全の信頼をいただく製品づくり”を目標に、薬事行政の確実な執行につながるよう①自主基準・公的基準の充実、とくにJIS(日本産業規格)、ISO(国際標準)の推進、②薬機法における各施行規則への完全な対応、③環境配慮の活動としてのものづくり、消費者への働きかけ、④国際連携による活動強化、の4つを主要テーマとして取り組み、「グローバル市場で培った技術によって安心で安全な商品・サービスの供給、ひいてはわが国の健康長寿社会の実現、国民の保険衛生の維持向上に寄与できるよう会員一同努力していきたい」と述べた。
なお総会では、2018年東京での開催を最後に新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより延期となっていた「日中衛生用品企業交流会」が今年11月1日~2日、マレーシアのクアラルンプールにおいて開催が決定したと発表された。同交流会では、紙おむつ(乳幼児用、大人用)、軽失禁、生理処理用ナプキンなどの分野を中心に、その技術やマーケティング、環境対応と、一部ウエットティシュについてもテーマとして加える方向で検討されている。