レンチング・グループは2月14日から3日間、ドイツのケルンにあるケルンメッセで開催された「FILTECH 2023」に安積濾紙㈱(安積覚社長)と共同で出展し、植物由来のセルロース繊維“レンチングTMリヨセル繊維”を原料とする新開発のフィルター製品を展示するとともに、その具体的な用途例を紹介。また、安積濾紙とのパートナーシップ強化のため、技術者や営業スタッフを現地に派遣し、ともに海外市場の開拓に臨んだ。
レンチング社の製造するリヨセル繊維は持続可能に管理された森林より得られた植物由来の繊維。テキスタイルや不織布などに幅広く使用されており、工業資材の分野でもさまざまな用途に採用されている。なかでもフィルター素材では繊維長が2mmから20mmと比較的短い“レンチングTMリヨセルショートカット繊維”が使用されることが多く、自動車用や産業用の高性能フィルターに採用されている。各種フィルターの製造を手掛ける安積濾紙により従来から用途開発が進められており、今回の展示会では“レンチングTMリヨセルショートカット繊維”を採用することで開発に成功した新設計のカートリッジフィルターを出品した。本カートリッジフィルターは優れた流量特性をもつため、ろ過工程の省エネルギー化が可能なほか、“レンチングTMリヨセルショートカット繊維”の配合によって石油由来材料の使用量を減らすことができる、高性能と環境配慮を兼ね備えるフィルターとして提案した。
現地を訪問した安積濾紙の安積社長は「地球環境は私たちにとって切り離せないテーマであり、ものづくりの現場においてもつねに配慮しながら研究開発を重ねている。私たちは自社製品を通じて環境保全に貢献していきたいと考えているので、使用する原料がサステナブルであるかどうかは重要なポイント。レンチング社から提供を受けているリヨセル繊維はまさに機能と環境保全を兼ね備えた繊維であり、そこに長年の技術力を加えることによりさまざまなフィルターシートをつくってきたし、今後も新しい開発を継続していきたい」と意気込みを語った。
また、レンチング社不織布事業部ヴァイスプレジデントのモニーク・ブッシュ氏は、「レンチング社は、サプライチェーンにおける課題に対するソリューションの原点であると確信している。厳しい品質管理が要求される工業用品の世界で、20年以上にわたり安積濾紙で“レンチングTMリヨセルショートカット繊維”を使用していただいていることに感謝し、今後も安積濾紙社とともに人々の生活をより良くする製品づくりを進めて行くことを楽しみにしている」と述べた。