日本衛生材料工業連合会は東京都千代田区丸の内の東京會舘で1月16日、「2022年度 日衛連表彰式」ならびに「2023年賀詞交歓会」を開催した。表彰式では業界活動に貢献した合計57名に対し会長賞(1名)、活動奨励賞(5名)、特別功労賞(5名)、功労賞(46名)など4賞が授与され、それぞれに賞状ならびに記念品を贈呈。このうち会長賞にはピジョン㈱の大村勲氏が選ばれ、同氏が受賞者を代表し謝辞を述べた。また、3年ぶりの開催となった賀詞交歓会は、いまだ新型コロナウイルスの感染傾向が余談を許さない状況にあることから着席スタイルが採られ、出席人数も制限するなど万全の感染対策を講じたなかでの開催となったが、厚生労働省や経済産業省など関係官庁からの来賓も無事に迎えることができ、久々の再開のなか各テーブルではコロナ禍における衛生用品の供給など互いの苦労を労うとともに、これからの衛生業界の役割などについて意見を交わし合う姿も見られたという。
賀詞交歓会での澤田道隆会長(花王㈱取締役会長)による挨拶の概要は以下の通り。
「3年ぶりに直接挨拶できることをとてもうれしく思う。4年目に入るコロナの感染環境はいまだ私たちを苦しめているが、Withコロナという新しい社会活動が始まり、少しずつ活況も見えてきた。マスクをはじめ命を守る製品の安定供給を通じた私どもの対応は、あらゆる場面で役立つことができた。企業価値を重視する時代においてこれらの活動はコロナ禍を機にあらためて重要な役割を担うものとの認識を得た。使命でもあり社会的意義を認識した私たち衛生材料業界の活動は今後も大きく期待されている。
2023年は感染対策衛生用品の安定供給と品質向上に関係官庁、医療関係業界の皆さまと連携して最優先の対応を維持していきたい。また、今年は関東大震災から100年となり、今後予想される巨大地震や異常気象による災害への備えも重要。さらに環境対策として消費者にわかりやすい、協力していただける環境負荷低減への業界としての活動も進めていく。少子化やフェムテックに関する活動も重要テーマとして、各種ガイドラインや標準化の整備を進めて更なる品質向上を目指す。一方、薬機法の各種施行規則に対しては2022年より全面的対応を開始しているが、法制委員会主導により業界一丸となって継続して取り組んで行く。23年の重点項目は、感染対策や大規模災害に対する備えと安定供給および品質向上、環境政策の推進、標準化(ISO、JIS)の推進、コンプライアンス遵守、国際連携の推進の5つとする。2023年の十干十二支である癸卯(みずのとう)は、これまでの努力が花開き実り始める縁起の良い意味をもつ。私ども衛生用品・衛生材料業界も、感染環境や地政学的リスクの緩和に期待するとともに重要な使命である国民の保健衛生の向上という責務を果たすことを最重点としながら、コロナ環境下でも事業を維持、発展させるモデルをしっかりと構築し、卯年にあやかり業界の飛躍に向け積極的に活動を進めることで成果を出せるよう挑戦していきたい」