東洋紡は、同社の三次元網状繊維構造体“ブレスエアー”が9月23日よりJR九州が運行開始する西九州新幹線「かもめ」の自由席車両全シートの座面に採用されたと発表した。
ブレスエアーは、東洋紡の熱可塑性ポリエステル系エラストマーを繊維状にして立体的に接合した三次元網状繊維構造体。軽量・高反発で耐久性や通気性に優れることから、ウレタンフォームに替わるクッション材として1996年の上市以来、一般および業務用の寝具はもとより、鉄道車両やオートバイのシートなど幅広い用途で採用されている。
自動車部品にも用いられる熱可塑性エラストマー“ペルプレン”を原料とするブレスエアーは、JIS L 4500 耐久性区分の最高位レベルである「D1クラス」を実現するなど耐久性や耐熱性に優れる。これまでにもJR東海の東海道新幹線「N700S」、JR西日本の特急「サンダーバード」や「はるか」をはじめ、数多くの鉄道車両シート座面に採用されている。また、ブレスエアーは熱可塑性エラストマーを原料としていることからマテリアルリサイクルが可能なことも大きな特徴であり、東洋紡は製造工程で発生する端材や規格外品を回収し、ブレスエアーの原料として再利用するリサイクル技術を確立するなど、プラスチックの排出量削減にも取り組んでいる。豊富な採用実績に加え、こうした環境適合性に優れた点などが評価され、今回の採用となった。